学校での必修化や社会のIT・ICT化が進む現代で注目を浴びているプログラミング。子どもの習い事としても増加しています。「2024年プログラミング教育市場規模調査」
しかし、”子どもにプログラミングなんてできるの?”や”プログラミングなんてやる意味ある?”などの疑問もあります。
仕事でやるようなプログラミングは子どもにはもちろん無理です。子どもが学ぶのは”プログラミング的思考”。自分の意図した動きを実現するために必要な命令を論理的に考えることです。
プログラミング的思考を学びながら、ITへの苦手意識なくすことや将来の可能性を広げることができます。他にも集中力や問題解決能力も身につきます。
メリットの多いプログラミング学習を効率的に学ぶためにも子どもに適切な学習環境を用意することが大切です。個別学習または集団学習かなどや教材はロボット学習またはアプリやソフトを使うのかなど選び方も様々。
せっかく始めたプログラミングも強制したり、スキルの習得を焦っては続けたくなくなることも。
そんな疑問や注意点を本記事でまとめました。
- 学習で得られるのメリット・デメリット
- プログラミング教室の種類
- 教室の選び方
- 学習時の注意点
プログラミングを学習することで、プログラミングスキル以外にも得られるものはたくさんあります。気になる方は最後までお付き合いください。
プログラミングの必修化
プログラミングの必修化は、2020年に小学校から始まり、2021年には中学校、2022年には高校での必修化となりました。その背景は一体どうなっているのでしょうか?
プログラミング教育の現状
プログラミング教育と言っても、エンジニアのように何かのシステムを構築するわけではありません。プログラミング教育で、目的としているものは”プログラミング的思考力”の育成です。
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力。
引用:文部科学省「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」

簡単に説明すると、自分が考えた動きを実現するために必要な命令を論理的に考える力ってこと。
IT人材の育成・不足解消
プログラミング必修化の背景には、深刻な”IT人材不足”があります。経済産業省は、2030年には約79万人ものIT人材が不足すると予想しています。
そのため、早期からプログラミング教育を行い、将来のIT人材を育成する方針を定めました。今後も拡大が予想されるIT産業を支えることができる人材が必須となるのです。
IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 ~ 報告書概要版 ~
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s02_00.pdf
経済の活性化

2024年の米国株をけん引したのは、AI半導体メーカーのNVIDIA(エヌビディア)。それ以外でもAI関連は注目を集めています。今後もIT業界は伸びていくことが予想されます。
日本もこの流れに乗り遅れるわけにはいきません。プログラミングスキルの習得は、日本経済の活性化に欠かせません。
プログラミング学習のメリットとは?

今後重要となってくるプログラミングですが、たくさんのメリットがあります。
- 苦手意識の低下
- パソコン操作が学べる
- プログラミング以外のスキル獲得
- 将来の可能性
- 積極的な学習姿勢
- ICTを活用できる人材育成
- 集中力が身につく
- 課題解決能力が身につく
- メディアリテラシーが身につく
苦手意識の低下
デジタル化が進み、デジタルスキルが必須となってきている現代。子どもの頃からITに触れることで苦手意識を少なくできます。
パソコン操作を学ぶ
プログラミングを学ぶ過程で、パソコンを操作することは必須です。タイピングやマウスの操作なども含め、パソコンを使いこなすことができるようになります。

学生でも社会人でもパソコンは使うことになるからできて損はないよ。
プログラミングスキル以外の力も習得
プログラミングスキル以外に身につく力には以下のようなものがあります。
- 論理的思考力
- 問題発見・解決能力
- 想像力・創造力
- 判断力・決断力
- 忍耐力
これらの能力は、普段の勉強や社会に出たときにも役に立ちます。
将来の可能性
プログラミングを必要とする仕事は以下のようなものがあります。
- プログラマー
- システムエンジニア
- セールスエンジニア
- データベースエンジニア
- サーバーエンジニア
- フロントエンドエンジニア など
プログラマーなどの雇用形態は様々で正社員の他に派遣社員やフリーランスもあります。平均年収はフリーランスの方が高く、平均500万前後。正社員の平均年収が433万となっています。フリーランスでは仕事内容によっては更に高収入も可能です。
積極的な学習姿勢
プログラミングの過程は、「問題発生、原因の調査、解決方法のリサーチ、解決」です。問題点を見つけ、解決するまでのプロセスを自らが主体性を持って行う必要があります。

主体性がある人間は社会ではとても必要とされる人材。
ICTを活用できる人材
ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、通信技術を活用したコミュニケーションのことです。
ITよりも通信によるコミュニケーションに重きを置きます。つまり、ICTは情報を伝達することを重視し、技術の活用方法などを意味します。
プログラミング(IT)を学ぶことで、その先のICT(活用方法)を自然と学ぶことができます。今後のデジタル社会で通用するためには、ICTスキルの高さも必要となります。
プログラミング以外の学習に役立つ
小学生などのプログラミング教育の本質は、プログラミング的思考力の育むことです。
プログラミング的思考力とは、物事を順序立てて論理的に考える力です。
テスト問題や日常の課題を効率よく順序立てて考えることが出来るようになり、現代社会を生きるための支えとなります。

勉強時間が減るかもしれないけれど、効率よく学習できるようになれば時間が減ってもあまり変わらない。
集中力がつく
プログラミングに必要なのは集中力。プログラミングの問題解決は根気が必要な作業です。
小学生のプログラミング学習では、楽しみながら行うことで集中力の切れにくい工夫をします。その過程で、集中力が育まれます。
勉強やスポーツでも集中力は必ず役に立ちます。
課題解決能力がつく
問題解決能力はプログラミングを学ぶうえで身につかないわけがありません。なぜなら、問題解決こそがプログラミングと言っても過言ではないからです。
プログラミングを行ってエラーやバグが起こらないことはほとんどありません。そのエラーやバグの原因を発見し、適切な対処をするという作業を繰り返します。

プログラミングを学びながら自然と課題解決能力が身につくよ。
メディアリテラシーがつく
IT化が進んだ現代で、子どもにスマホやパソコンを与えないというのは難しいです。しかし、怖いのはインターネット上のトラブル。
SNSでの誹謗中傷や闇バイト、個人情報の漏洩。ワンクリック詐欺や情報商材詐欺などあげだすときりがありません。
プログラミングを学ぶと、ワンクリック詐欺の仕組みや個人情報の漏洩経路などを理解できます。理解できれば、危険を回避することが可能です。
プログラミング学習のデメリットとは?

メリットがあればデメリットもあります。しかし、メリットに比べると小さく簡単に問題は解決可能です。
- 運動不足
- 視力低下など健康面への影響
- その他の学習時間の減少
運動不足
プログラミングの学習時間が増えると運動機会が減ってしまいます。なぜなら、今まで外で遊んでいた時間が学習時間に変わってしまうからです。
しかし、これはスポーツ系の習い事以外でも同じです。学習も大事ですが適度に運動を行うように意識をしましょう。
視力低下など健康面への影響
長時間のパソコンの作業で健康面に影響が不安な親は少なくないと思います。大人でも目が疲れ、肩がこったり腰が痛くなります。
子どもの健康面への影響を最小限に抑えるために大切なのは、”適度な休憩と環境設定”。

勉強も同じだけど、いい姿勢で適度な明るさなど環境設定で健康面へ配慮してあげよう。
その他の学習時間の減少
プログラミングを学習する時間が増えると他の教科の学習時間が減ってしまう可能性があります。プログラミングに夢中になってしまうと時間を忘れ、集中しすぎてしまうからです。
プログラミングに興味を持ち、学習することはとてもいいことです。しかし、親が他の教科へも気が向くようにバランスをとって上げる必要があります。
プログラミング教室の種類

プログラミングを学習する方法は2種類。独学か人に教えてもらうかです。プログラミング教室は以下のようにわかれます。
- 教室型
- オンライン型
- 塾併設型
教室型
直接教室に通うタイプのプログラミング教室になります。専門性の高い先生も多く、直接質問することができ、その場で疑問解決可能です。
また、ロボット作成など興味が向きやすい教材を使用している教室もあります。
オンライン型
名前の通りオンライン学習のできる教室です。オンライン学習のメリットは、気軽さです。必要な環境(パソコンや通信環境など)が整えば自宅で学習が可能。

でも、自宅で学習すると気持ちの切り替えができない子もいるから気をつけて。
塾併設型
あまり数は多くありませんが学習塾を併設したプログラミング教室もあります。
プログラミング学習のデメリットでもあるその他の教科の学習時間低下を解決してくれます。
プログラミング教室の選び方

では、数あるプログラミング教室を選ぶにはどうすればいいのでしょうか?本記事では以下の選び方をオススメします。
- 学び方
- 料金
- 対象年齢
- 教材の種類
学び方

学び方は、独学または教室に分かれます。プログラミング教室で学習するのであれば、通学かオンラインを選ぶ必要があります。通学を選ぶのであれば集団学習、個別学習かも検討が必要。
料金
プログラミングを学ぶうえで必要な費用は以下の通りです。
- 教材費
- 入会金
- 月謝
独学の場合、必要な費用は教材費のみ。はじめてプログラミングを学習するときには、無料アプリなどがオススメ。
プログラミング教室で学習する場合は、入会費の確認をしましょう。入会費は期間限定で無料の場合もあります。
教室によって対象年齢は様々
プログラミング教室には「小中学生向け」や「中学生以上対象」など対象を設定している教室も少なくないです。子どもの年齢や理解力に合わせ、長く利用できる教室を選ぶことが重要です。

例えば、小学生から始めるなら小学生までのプログラミング教室を選ぶのはオススメしません。小中学生向けを選ぶことで慣れた環境で習い続けることが出来るのでオススメ。
教材はロボットまたはアプリ・ソフト
学習方法 | ロボット学習 | アプリ・ソフト |
作るもの | ロボットなど | ゲーム、アニメーションなど |
内容 | 作成したものをプログラミングで動かす | プログラミングでゲームやアニメーションを作成する |
オススメ | ロボットや機械が好き | ゲームなどが好き |
プログラミング学習内容は様々です。ロボットを作成し、指示通りに動くようにプログラミングをするロボット学習。学習アプリやソフトを使い、簡単なゲームやアニメーションの作成。
好きな教材で学べることで、子どもがプログラミングを嫌いにならずに続けることができます。
プログラミング学習の注意点!

子どもに合ったプログラミング教室も見つかり、プログラミング学習を始めたはいいものの注意することもあります。それは、以下の通りです。
- 子どもに合った、適切なレベル設定
- プログラミング学習を強制しない
- プログラミングスキル習得は時間が必要
子どもに合った、適切なレベル設定
子どもの年齢や経験に合わせたレベル設定が必要です。適切なレベルに合わせることで理解度が進み、スキル習得も可能になります。逆に適切なレベルではない場合、理解は進まず、スキル習得できません。
初めて学習する子どもには教育現場で使われている「Scratch(スクラッチ)」がオススメ。プログラミングの基礎も学べ、わかりやすいビジュアルプログラミング言語になります。
プログラミング学習を強制しない
好きではないことを強制されると嫌いになってしまうので注意が必要。”子どものために”と思っても子どもは望んでいないかもしれません。

子どもが興味をもてる様な、子どもに合わせた教材選びが大切。
プログラミングスキル習得は時間が必要
他の習い事でも同じことが言えますがプログラミングスキルの習得や上達には時間がかかります。特にプログラミングはトライ&エラーの繰り返しになります。

子どもの将来を考えると、気持ちがあせるのはわかります。しかし、あせる気持ちを抑えて、子どもが挫折しないように支えてあげましょう。
プログラミング学習|親のサポートとは?

子どもが何かを学習する時に親のサポートは必須です。インターネットを使って学習することが基本となるプログラミングでは特にサポートが必要になります。場合によっては犯罪に巻き込まれる可能性もあるため注意が必要です。
- ネットリテラシーの教育
- 疑問解決のサポート
- 環境設定
ネットリテラシーの教育
プログラミング学習では自然とインターネットに触れる機会が増えます。つまり、個人情報漏洩やトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。

ネット上のトラブルは気づきにくく、手遅れになりやすいから教育が大切。
疑問解決のサポート
プログラミング学習する中で必ず疑問や問題が出てきます。しかし、プログラミングがわからなければサポートできません。
わからないことを無理に教えるのではなく、解決できる手段を用意してあげましょう。独学なのであれば本やWebサイトを用意したり、プログラミング教室の提案なども検討してみましょう。
学習環境の設定
学習環境は子どもが作ることは難しいです。しかし、長時間のパソコン作業は姿勢が悪くなったり、肩こり腰痛に悩まされるかもしれません。

子どもの健康を守るために、学習環境を整えよう!
準備するのはネット回線とパソコンやタブレット

プログラミングに必要な準備物はインターネット回線とパソコンやタブレットになります。
プログラミングを行うにはインターネット回線は必須です。独学で学ぶにしてもオンラインスクールを受けるにしても、必要になります。
プログラミング学習は、パソコンやタブレットで行います。初めてプログラミングを行うのであればタブレットのアプリで十分です。さらに詳しく学習をしたくなれば、パソコンを使用しての学習へ移ります。
まとめ|プログラミング学習は子どもの可能性を広げる!
プログラミング学習には、メリットもデメリットもあります。メリットは、子どもの可能性を大きく広げることができます。それに対してデメリットは、親が気をつけることで解決可能です。
特に親が気をつけることは”強制しないこと”や”適切なレベルの選択すること”です。子どもが楽しく、興味をもって学習し続けることが出来るようにサポートしてあげましょう。

メリットとデメリットを理解して、子どもの将来の可能性を広げるためにプログラミングを始めよう。
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